家族、親戚、知人が刑事事件を起こして警察に身柄拘束された。
裁判所に起訴された。
弁護士を頼みたいが、知り合いに刑事事件を扱う弁護士がいない。
身柄を拘束されている被告人をできる限り早く解放したい。
できれば罪を軽くしたい。
被害者との示談交渉を依頼したい。
子どもが刑事事件を起こしてしまったが、どうすればいいかわからない。
子どもが少年鑑別所に入れられた。
→これらにあてはまる方は一度ご相談ください。
家族が警察に逮捕された場合、今後の刑事事件の手続きを教えて下さい。
逮捕された後、最長72時間以内に、引き続いて身柄を拘束されるか(この身柄の拘束を「勾留」といいます。)が決まります。 勾留されなければ釈放されますが、勾留された場合には、原則10日間、最長で20日間、身柄を拘束されることになります。最大で23日間、警察から出てこられない可能性があります。そして、勾留期間が終了するまでに、裁判となるかが決まり、裁判をしない(「不起訴」といいます。)ことになれば釈放されます。 不起訴になるためには何をすれば良いかは事案によって異なります。被害弁償をすることが大事になる場合もあります。 裁判となった場合、無罪か有罪かが決まることとなり、有罪の場合、実刑(刑務所に行く)か執行猶予(刑務所に行くのが猶予される)かが決まります。
国選弁護人はつきますか?
2009年5月から法律改正により、かなりの事件に国選弁護人がつくことになりました。しかし、事件によっては国選弁護人がつかないこともあり、また、一定の資力がある場合は、国選弁護人をすぐにはつけることができないこともあるなど、制度が複雑になりました。
未成年に対する刑事事件は、どのような手続きで進んでいくのですか?
警察の捜査の後、事件は家庭裁判所に送致されます。 結果が重大だったり非行性が進んでいると見られると身柄は勾留されたままになります。 家庭裁判所で観護措置の決定があった場合、少年鑑別所に送られます。そして、通常は4週間、最長で8週間以内に審判の期日が決められます。 審判で、不処分や保護観察、少年院送致といった処分が決まります。
保釈金はいくら必要ですか?
事件の内容によって異なりますが、概ね最低でも150万円が必要であり、200万円で認められる場合が多いです。保釈金を一括で用意できない場合は、保釈保証協会から借入ることも可能です(借入には審査が必要です)。
保釈金はいつ返ってきますか?
判決後です。被告人が逃亡せず、判決がでれば返還されます。逃亡したときは、返還されません。
実刑判決後、控訴しないとどうなるのでしょうか?
判決言い渡しから14日間の経過により、刑が確定し、その後、受刑先の刑務所が決まり移送されます。
逮捕された者の家族や友人が一番に心がけることは何ですか。
初期の段階で、一番大切なのはスピードです。事実関係を冷静に把握し、信頼できる専門家に早く相談することです。事件を軽く見すぎていては、後で取り返しのつかないことになりますし、事件を重く見すぎて悩んでいても仕方がありません。まずは、刑事事件について正確な知識と深い理解がある人に相談して、今後のスケジュールの見通しを立てましょう。弁護士でも警察でも、とにかく知識豊富な人に相談することが大切です。
私選弁護士と国選弁護士との違いは?
逮捕前や勾留前から選任できること、資力要件がないこと、自分で弁護士を選べることなどです。
逮捕前は国選弁護士がつきません。逮捕されることが予想される場合に、弁護士に相談して事件を委任したい場合は、私選弁護士を付けることになります。
被疑者国選は逮捕されただけでは利用できず、勾留段階になって初めて利用できます。
もっとも国選弁護士には資力要件があり、現金や預貯金の合計が50万円以上になる場合は、例外的な場合を除き、私選弁護士を選任することになります。
また国選弁護士と違い、私選弁護士は自分で頼みたい弁護士を選ぶことができます。
取り調べられた後、供述調書に署名、押印をする場合の注意点は。
署名・押印は慎重に行う必要があります。一度署名押印をしてしまうと、後でそれを覆すことは難しいのが実情です。調書の読み聞かせがありますので、調書の内容をよく聞いて理解し、正確に記載されているかを確認することが大切です。
調書の表現のニュアンスはときに、微妙に被疑者に不利になっていることがあります。流れの中で偶然に起きたことが自分の積極的主導で行われたことになっていたり、よくわからないと答えたにもかかわらず「そう言われればそうかもしれません。」となっていたりと、自分が思って話したことと捜査官によって書かれた内容は少しずつ違っている可能性があります。細かいニュアンスや言い回しで、書かれた調書の内容の意味は全然違ってきますので、執拗に訂正を求め、納得するまでは絶対に署名してはいけません。
捜査段階で弁護士を依頼した場合、弁護士はどのような活動をしてくれるのですか。
被疑者に有利になるために事案に応じてさまざまな活動をします。事件化防止(被害届の取下げ交渉)、冤罪防止(嫌疑を晴らす)、有利な証拠収集、捜査機関の違法チェック、早期の身柄解放を目指す、被害者対応(謝罪、示談)、法的助言(黙秘権や刑事手続きの説明、弁護方針の相談など)、不起訴処分(前科をつけないため)を目指す。
起訴され裁判になった場合、弁護士はどのような活動をしてくれるのですか。
特別な協定などの取り決めがない限り、基本的に企業の裁量で労働者に配置転換や転勤を命ずることができます。ただ、それが権利の濫用であると考えられる場合などには、拒否できます。具体的にどの程度私生活に不利益が生ずるのか整理して、会社とよく話し合われたほうがいいでしょう。
少年審判について教えてください。
審判では、少年が非行を犯したかどうか、また、少年の性格、環境などに問題がないかどうかについて審理をし、調査官の調査結果などを参考にして、裁判官が少年に対する処分を決めます。少年への処分は、大きく分けて、「不処分」か「保護観察処分」か「少年院送致」のいずれかです
(重大犯罪の場合は検察庁に逆送されて成人と同様の「刑事裁判」を受けることもあります)。
少年事件において、弁護士はどのような活動をするのですか。
少年の更生にとり何がよいのかを第一に考えます。処分を軽くするためだけでなく、家族、学校、友人、職場等の環境を改善するために活動します。
手続きにおいては、弁護士は、「付添人」として関与し、少年をサポートしたり、少年の言い分を調査官や裁判所に代弁したりして、少年の権利を保護します。
また、調査官との間で意見を交わし、少年の将来の更生のためにはどのような処分がよいのか考えます。
被害者がいる場合には、被害者との間で示談交渉をします。少年の両親に対しては、調査官・裁判所への対応や、今後の少年に対する教育の姿勢についてアドバイスすることになります。
時には、付添人が、少年と両親との心のすれ違いを埋める役割を果たすこともあるのです。